当科の特色
整形外科診療内容
骨関節外傷の治療をはじめ、脊椎脊髄外科、リウマチ関節外科、スポーツ外科、手の外科の専門外来を設置しています。また検診を通じて地域医院と連携した骨粗鬆症治療を行っています。
手術は患者さんの体に優しい「低侵襲」手術が特徴で術後外固定(ギプス)の少ない骨折治療、椎間板ヘルニアなど脊椎外科領域での内視鏡手術や顕微鏡手術、スポーツ関節外科領域でも内視鏡手術を行なっています。脊椎圧迫骨折後の椎体内セメント注入術(BKP)の認定病院となっています。
関節リウマチの治療はガイドラインに準拠して行い、必要に応じて生物学的製剤を用いた治療を化学療法室で行っています。リウマチにも発生する高度な外反母趾に対し矯正手術を行い成果を上げています。
各種検査 |
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手術 |
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専門外来 |
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リハビリテーション | 術後の機能回復訓練を中心として行っています。疾患に応じてリハビリ専門病院に連携して治療を行っています。 |
手術実績
平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
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手術総数 | 1092 | 932 | 963 | 895 |
脊椎手術 | 160 | 104 | 172 | 103 |
骨折手術 | 581 | 558 | 579 | 555 |
関節手術 | 165 | 131 | 181 | 95 |
脊椎外科専門外来
当院では“低侵襲(体にやさしい)”手術的治療を行っており、顕微鏡や内視鏡の手術手技への応用を早くから行っております。皮膚を切る範囲が小さくなり術後早期の歩行が可能で術後の入院期間も大幅に短縮できます。
当院で行っている代表的な手術は下記の通りです。
1.腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡視下ヘルニア摘出術

2.脊椎圧迫骨折に対する骨セメント充填術

3.腰部脊柱管狭窄症に対する顕微鏡視下手術

4.頸椎に対する脊柱管拡大術

その他腰椎すべり症に対する脊椎固定術、腫瘍など脊椎の専門手術も行っており、大きな切開で行う手術が必要な場合があり、診察時に担当医と相談することをお薦めします。
スポーツ・関節外科外来
スポーツ人口の増加に伴い、スポーツ外傷、傷害は増加の一途をたどっている。当専門外来ではスポーツ傷害に伴う骨折、膝靱帯損傷、半月板損傷などの疾患を術前リハビリ、手術、術後リハビリといった一連の流れとして治療しています。 一方関節外科外来では股関節や膝関節の変形性関節症やリウマチ疾患による関節障害の人工関節手術を中心に扱っています。その他外反母趾や足関節障害といった足の外科も専門外来として扱っております。また外傷後などに生じた下肢の変形に対してイリザロフ法による変形矯正手術も行っております。
当院での代表的手術は下記の通りです。
- 膝前十字靱帯損傷に対する内視鏡を用いた再建術
- 慢性関節リウマチや変形性関節症による人工関節手術
- 外反母趾
- 骨折後変形治癒に対する変形矯正手術
脆弱性骨折・難治性骨折外来
当院では地域の先生方と連携し、高齢者の日常的な骨折に対応しております。救急科と連携し、可能な限り早期に手術加療を施行し、臥床期間を短縮することでADL低下を最小限にしています。近年では、高齢者の骨折についても整形外科的なアプローチだけでなく、さまざまな合併症や併存疾患に対応した全身的なアプローチが必要とされており、栄養や急性期リハビリ、十分な除痛といった観点からもアプローチをすることで、回復期リハビリにスムーズに移行できるように努力しています。
また、長期の臥床期間を余儀なくされる転位のない骨盤骨折(恥坐骨骨折を含む)や、骨癒合が得られにくい非定型骨折など、適切な診断と治療でADL低下を防がなければならない骨折も提唱されています。そのような骨折であっても、エビデンスに基づいた治療でADL低下を最小限にしたいと考えております。症例に応じたゴールを設定し、可能な限りもとの生活に復帰していただくことを目標にして、機能回復を目指しております。
整形外科で手術を受けられる患者さんへ
日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究について
研究機関 大阪府済生会千里病院 整形外科
研究責任者 坂口 公一(副部長)
研究分担者 庄司 恭之 安原 良典 伊達 優子 佐藤 秀峰 小山あかね
このたび大阪府済生会千里病院 整形外科では、運動器の病気で入院・通院されていた患者さんの診療情報を用いた研究を実施しております。この研究を実施することによる患者さんへの新たな負担は一切ありません。また、患者さんのプライバシーの保護については法令等を遵守して研究を行います。
あなたの試料・情報について、本研究への利用を望まれない場合には、担当医師にご連絡ください。
1.研究の目的 及び 意義
この研究の目的は、運動器疾患の手術に関する大規模データベースを作り上げることです。整形外科が扱う運動器疾患は、小児から高齢者まで幅広い方々を悩ませ、多くの方の健康寿命を損なう大きな原因となっています。その治療である手術の件数も年々増加していますが、その全国規模の全容を捉えられるデータベースがまだありません。全国の整形外科で情報を共有できるシステムを作り上げることは、有効な治療法や手術の安全性を科学的に確立するために大変有用です。日本整形外科学会が作りあげるこの大規模データベースに参加・協力し、より良い治療を探って参ります。
2.研究の方法
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研究対象者
2020年4月~2030年3月の間に大阪府済生会千里病院 整形外科において、運動器の手術を受けられた方を対象とします。人工関節手術、関節鏡視下手術、脊椎手術、骨折治療の手術などが対象となります。
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研究実施期間
本研究の実施許可日~10年間(当院では、実施許可日より西暦2030年3月まで)
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研究方法
インターネット上のデータベースへ登録します。
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)使用する試料・情報
◇ 研究に使用する試料
無し
◇ 研究に使用する情報
匿名化したID、年齢、性別、ハッシュ値(氏名、性別、生年月日などから算出される文字列)、疾患情報、手術情報、手術・麻酔時間、手術日、術者情報、看護師数、技師数、治療成績、使用した器材・インプラント など。情報を提供して下さった患者さん個人が特定できないよう、これらの情報は完全に匿名化されてデータセンターへ提出されます。
調査項目の詳細は、JOANRのホームページ(https://www.joanr.org/about/patient)の「情報公開項目」をご覧ください。 -
試料・情報の保存
登録されたデータはデータセンター(日本整形外科学会)の責任下に保存されます。保存期間は本研究終了(あるいは中止)後5年間とします。
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研究計画書の開示
研究に関する情報(研究計画書等)を日本整形外科学会ホームページ(https://www.joa.or.jp)およびJOANRホームページ(https://www.joanr.org)に公開します。
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研究成果の取扱い
ご参加頂いた患者さんの個人情報がわからないようにした上で、診療報酬改訂に向けた実態調査などの政策対応、専門医制度のための症例データベース、医療機器の安全性向上に資するデータベース構築、また学術論文などの公表に日本整形外科学会員又は関連学会員が用います。
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問い合わせ・連絡先
この研究についてご質問等ございましたら、下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象とはしませんので、下記にお申し出ください。資料・情報の使用を断られても患者さんに不利益が生じることはありません。なお、研究参加拒否の申出が、既に解析を開始又は結果公表等の後となり、当該措置を講じることが困難な場合もございます。その際には、十分にご説明させていただきます。
大阪府済生会千里病院 整形外科
研究担当医師 安原 良典 庄司 恭之 坂口 公一 伊達 優子 佐藤 秀峰 小山あかね
連絡先(電話番号)06-6871-0121(平日:9時~17時) -
外部への試料・情報の提供
⑴ 保存された情報等は他の医学研究への利用を目的に提供されることがあります。その際にはデータの提供の可否について日本整形外科学会は倫理委員会の意見を聞き、そこで適切と判断された場合に限ります。
⑵ 情報を他の営利団体、民間の機関(規制機関など)に提供する場合があります。登録した医療材料に有害事象や不具合が起き、医学的・人道的な観点からその情報を製造販売企業や審査機関に提供すべきと判断される場合です。
いずれも提供されるデータは、データセンターに登録・保管されている情報で、研究に参加して下さった患者さんの個人を特定できる情報は含まれていません。 -
研究組織
大阪府済生会千里病院 整形外科 〒565-0862 大阪府吹田市津雲台1丁目1−6
公益社団法人 日本整形外科学会 理事 種市 洋(症例レジストリー委員会担当)
〒113-8418 東京都文京区本郷2-40-8 Tel. 03-3816-3671 Fax. 03-3818-2337